1月 1 2015
NewsLetter 2015年1月号
一度削った歯のデス・スパイラルって?
むし歯を削って詰めると、ひとまず痛みは止まりますが、歯は元どおりに治るわけではありません。削って歯質の減った歯は、噛む力に対する耐久力が弱くなります。小さな詰め物をきっかけに歯が痛みやすくなり、大きめの詰め物(インレー)に、さらに全部被覆冠(クラウン)に、そしてクラウンを支える歯根が疲労し抜歯に、というマイナスの連鎖(デス・スパイラル)へと、一歩を踏み込んでしまうのです。
デス・スパイラルのそもそものきっかけになる「削る治療を減らそう」という考えを実現するには、患者さんの協力が欠かせません。来院した時、すでに穴が開いてしまっているむし歯を治療するには歯を削り詰め物をするしか方法はないからです。健全な歯質を守って削らずに維持するため、歯科のプロによる健康管理を定期的に受けていただくよう、患者さんにご提案しています。
特に、小学生~20歳頃までのむし歯になりやすい時期に、プロの管理を受けながら詰め物を減らして、なるべく歯を削らずに乗り切ると、たいがいの人は、その後歯で悩む人生を送らずに済みます。
むし歯は遺伝ではないので、「むし歯の多い家系だから。」とあきらめることはありません。むし歯菌が多く、ハイリスクな方でも予防をきちんと行えばその効果は上がります。今回の来院を機に定期的なメインテナンスを始めませんか?
いの歯科医院 歯科衛生士 田辺有香
参考文献:nico/2014.10
健康診断の結果や服用中のお薬について伝えましょう!
歯科と身体の病気はあまり関係ないと思われてきましたが、現在では、歯科の病気が全身に影響し、持病の治療がお口の中に影響を与えることが明らかになっています。ある種の持病の治療薬は、知らないまま歯科治療を受けると副作用によって患者さん自身が不利益を被る恐れがあります。安全に治療を進めるためにも、必ず服用中のお薬がある場合にはお伝え下さい。
(nico 2014.10より)