11月 1 2024
NewsLetter 2024年11月号
細菌と生体の戦い!
歯と歯ぐきの境目は、硬組織である歯のエナメル質と軟組織である歯ぐきの付着上皮は接着しています。正常であればこの接着は容易に剥がれないので巣が、プラーク中の細菌などの影響により、この接合部分が破壊されると歯と歯ぐきの間に「傷」が出来ることになります。
この歯と歯ぐきの間の傷から細菌が生体内に深く入り込めば、歯周組織が炎症を起こして歯槽骨を溶かし、「歯周病」と呼ばれるようになります。
歯周病は歯と歯ぐきの間の傷から出血したり、膿が出たりします。生体は歯ぐきに分布する血管から浸出液を出して、最近の浸入を防いでいます。細菌が深く侵入すると、生体の治安を守る白血球と細菌が戦い、戦いを終えた白血球や細菌の死骸が膿となり出てきているというわけなのです。
しかし、生体の防御が細菌に細菌に負けなければ炎症はどんどん進行してしまいます。また歯周病は足を擦りむいた場合と違って、カサブタが出来て上皮が再生することはありません。エナメル質と付着上皮が再びくっついて閉鎖することはないからです。そのため細菌が生体内に深く入り込まないようにすること、つまりプラークコントロールが必要なのです。
いの歯科医院 歯科衛生士 山川まり子
参考文献:デンタルハイジーン/2024.08
舌小帯短縮症!
舌小帯短縮症とは、生まれつき舌小帯(舌の下に付いているヒダ)が短い状態であり、それにより舌の運動が制限されます。舌小帯短縮症の場合には、舌を前に突き出してもらうと舌の先端がハート型になります。根本的な治療方法は舌小帯を切除することですが、舌小帯に異常がある場合でも、舌の運動機能は加齢に伴い成長、発育することがあります。舌小帯短縮症があっても、必ず舌小帯の切除が必要というわけではありません。
(デンタルハイジーン 2024.09より)