NewsLetter 2021年5月号

歯科でよく聞くアレルギー!

生き物には自分の身体を外の敵から守るためのしくみ「免疫」があります。免疫を担当している細胞は、外の敵を見分けて仕事をしていて無害なものはスルーしておくのですが、無害なものを敵と間違えて相手にしてしまい、その結果自分にとって不都合な反応が起きてしまうことがあります。これが「アレルギー」です。

歯科でよく聞くアレルギーには、ラテックスアレルギー、局所麻酔アレルギー、金属アレルギーなどがあります。
ラテックスアレルギーは、手袋の天然ゴムに含まれるラテックスタンパク質に対し免疫反応が起こり症状が見られます。ラテックスと構造が似ている果物の抗体にも反応が起こることがあります。これをラテックスフルーツ症候群といいます。アボガド、キウイフルーツ、くり、バナナがハイリスクと言われています。
局所麻酔アレルギーは、ある薬剤に対しアレルギー反応が起こるのですが、実は局所麻酔アレルギーが疑われるケースのほとんどが、注射をするといったストレスや痛みから自律神経のバランスが崩れ、めまいや吐き気、冷や汗などの症状が現れるもので、本物のアレルギーは非常に少ないのです。
金属アレルギーは、皮膚パッチテストで陽性になることが多いのですが、その金属を除去して症状が改善するかどうかで判断せざるをえません。

アレルギーの診断は2段階で行います。まず特定の物質で起きるという事実の確認が基本で、次に血液検査や皮膚検査でその症状が免疫学的に起きていることを確認します。検査である物質に対し陽性でも、その物質で症状が見られなければ、それはアレルギーとは判定されません。

いの歯科医院 歯科衛生士 山川まり子

参考文献:デンタルハイジーン/2021.03

8020の次へ!

第1次の健康日本21では、80歳で20本の歯を残すことを目標に8020運動が行われていました。2013年から第2次の健康日本21がスタートしています。その中では、「60歳における咀嚼良好者の増加」が、目標に掲げられています。その目標値は80%に設定されています。咀嚼良好者とは、主観的に「何でも噛んで食べることができる。」という人を意味します。平均寿命だけでく、健康寿命を延ばすことに「食べる力」は、大きく影響しています。

(デンタルハイジーン 2021.03より)

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