5月 1 2025
NewsLetter 2025年5月号
歯周病と免疫のしくみ!
最近、体の中の細胞の働きをテーマにした映画が上映されました。歯周病でも「炎症」と「免疫」という生体の反応が起きています。生体は外から細菌などの異物が入ってくると、その場所の種々の細胞が出す「」敵が入ってきた!」という指令を出して、白血球がその対応にあたります。この反応は社会における警察・検察・裁判機構によく似ています。
悪者である細菌が歯周ポケットに入ると、まず警察官の白血球(好中球)が出て対峙します。これは、急性期の歯周病でみられます。
慢性期に移行すると、検察官の白血球(マクロファージ)が捕らえた細菌を取り調べ裁判にかけます。生体の裁判では、裁判官の白血球(Tリンパ球など)が細菌を生体外からの異物であると判断すると、狙撃が得意な白血球(Βリンパ球など)に抗体という銃弾でターゲットである細菌を撲滅することを指令します。
しかし、細菌侵入量が多く、生体処理が追いつかない場合は、生体が歯周組織を破壊し、歯槽骨を吸収し、戦いの場を広げていくことになります。つまり、歯周病が進行し、やがて歯が抜け落ちることになります。
免疫だけでは細菌が多いと立ち向かえません。そこで歯科医院での歯周管理が必要になるのです。
いの歯科医院 歯科衛生士 山川まり子
参考文献:デンタルハイジーン/2025.03
SpO2も測っています!
当医院では血圧測定時に脈拍とSpO2を測定しています。SpO2とは、「経皮的動脈酸素飽和度」の事です。SpO2は、血液中の酸素を全身に運ぶヘモグロビンという物質に、どれだけ酸素が結合しているかを示す指標です。この値が低下すると全身に充分な酸素が行き渡らず、重傷の場合は生命の危機に至る可能性があります。呼吸器疾患を持つ患者さんは、歯科治療中にSpO2が低下することは珍しくありません。喘息発作のある方は治療前に必ず申し出て下さい。
(デンタルハイジーン 2025.03より)