7月 1 2020
NewsLetter 2020年7月号
気をつけて、根面カリエス!
最近、子供達のむし歯は減ったといわれていますが、密かに急増しているむし歯があります。それは成人の「歯の根元のむし歯」です。進行すると歯を残す事すらできなくなります。歳を取ると誰でも歯ぐきが下がってくる傾向があります。そうすると今まで歯ぐきに覆われていた歯の根元が露出してきます。この根元の表面は、エナメル質がなく象牙質がむき出しです。象牙質はエナメル質に比べて酸に弱く、中性に近いとても弱い酸でも溶けてしまいます。
根面のむし歯を予防するには、まず根元まわりのプラークを取り除くことが重要です。次に根面を酸に溶けにくくする事、つまり歯を丈夫にする事です。そのためにはフッ素が非常に効果的です。フッ素入りの歯みがき剤の使用や、それよりも高濃度にフッ素を含むゼリーやペーストなどを歯科医院で年に2~3回塗ってもらう事は、根面のむし歯予防に有効である事が明らかになっています。
ご自身が家庭でできる最も有効な手段であるフッ素入り歯みがき剤の使用と、歯科医院でしか受けられないプロによるメインテナンスを活用し、大切な身体の一部である歯を守っていきましょう。
いの歯科医院 医療事務 小林万希子
参考文献:nico/2020.06
キシリトールって何?
皆さん、「キシリトール」という言葉をよく耳にするとは思いますが、具体的にはどんな物質かご存じでしょうか?キシリトールは糖アルコールの仲間。シラカバの木などを分解してできるもので、これは歯科では有名な話ですが、実はトウモロコシの芯からも作られているんです。そしてなぜキシリトールがむし歯予防に有効かというと、むし歯菌は栄養としてキシリトールを分解する事ができないのです。つまり歯を溶かす酸の材料にならないという事です。とは言っても歯みがきや歯医者がいらないなんて事はまったくありません。正しい知識でキシリトールとお付き合いしていただき、セルフケアやメンテナンスも忘れずに継続しましょう。
(nico 2020.05より)