8月 1 2017
NewsLetter 2017年8月号
「歯の質」を考える!
乳歯は、妊娠3~4ヶ月頃に歯の元となる歯胚ができます。永久歯は、乳幼児期から小学校低学年くらいまでが歯が作られる期間となります。
乳歯は、母親から供給されるカルシウムやリンを使って、エナメル質や象牙質を作ります。歯を作る時期に、カルシウムなどをきちんと摂取すれば、強い歯を作ることができます。歯を作る細胞に異常が起きると正常な歯の質を作ることができなくなります。その結果、「エナメル質形成不全症」や「象牙質形成不全症」になってしまいます。
歯が生えた直後の歯の質は石灰化度が低く、むし歯になりやすいという弱点があります。歯の石灰化度を上げるために、定期的なフッ化物の塗布などが有効となります。
歯の質は、萌出後も唾液の性状、う蝕、外傷、咬耗、摩耗、酸蝕症、加齢などの影響を受けます。
患者さんを継続的に診ていくことは、長期的なオーラルヘルス向上やその維持にとって、とても大切なことです。
いの歯科医院 歯科衛生士 山川まり子
参考文献:デンタルハイジーン/2017.06
フッ素入り歯磨剤のフッ素濃度が変わります!
これまで、フッ化物を配合する歯磨剤の高濃度のフッ素濃度は、上限を1,000ppm(0.10%)でしたが、3月17日に1,500ppm(0.15%)を上限とする高濃度のフッ化物を配合する薬用歯みがき類が医薬部外品として承認されました。1,000ppm異常のフッ素濃度では、500ppm高くなるごとに6%のう蝕予防効果の上昇がみられるということです。これから歯根面う蝕を主とした成人のう蝕予防には欠かせないものとなるでしょう。
(デンタルハイジーン 2017.06より)