NewsLetter 2017年1月号

カンジダ菌に注意!

当歯科医院では、入れ歯を作り、使っていただく患者さんには入れ歯の手入れ方法をお話しさせていただいています。

入れ歯には食べかすだけでなく、お口の中の細菌も付着していますので、毎食後や就寝前には、お口の中から取り出し蛇口の水を流しながら、入れ歯用の歯ブラシでゴシゴシ洗っていただくようにお話ししています。入れ歯洗浄剤の使用については、患者さんに任せていますが、入れ歯洗浄剤を使っていらっしゃる方にも、このゴシゴシとブラシでこすることが大切であることをお伝えしています。

しかし、抵抗力が低い要介護の方や高齢者の方は、お口の中の常在菌であるカンジダ菌(カビ)に感染し、口腔カンジダ症になることがあります。これを予防するためには、入れ歯をブラシでこすり、入れ歯表面のネバネバとしたバイオフィルム(バイ菌の塊)を除去し、入れ歯洗浄剤に漬け、入れ歯表層に残されたバイ菌を洗浄殺菌します。併せて、着色汚れや表層下のバイ菌を浮かせて除去しやすくします。そして更にもう一度、入れ歯をブラシでゴシゴシ洗い、浮かび上がったバイ菌を徹底除去します。

口腔カンジダ症を発症すると、入れ歯をはずした時に、入れ歯の下の粘膜が赤くなり、お茶などの熱いものを飲んだ時になどヒリヒリとした痛みが強くなります。こうした場合は治療が必要になります。こうならないためには、毎日きちんとした入れ歯のお手入れをすることが大切です。

いの歯科医院 歯科衛生士 山川まり子

参考文献:デンタルハイジーン/2016.12

高齢者のむし歯予防

高齢者の方のむし歯は、歯の頭の部分よりも歯の根の部分にできやすい傾向があります。歯の根の部分にむし歯ができる最大の原因は、唾液の分泌量の減少です。全身疾患や薬物服用による口腔乾燥症(ドライマウス)が生じる場合もありますし、老化によって唾液の分泌量は緩やかに減ってもきます。歯が抜けたり、入れ歯の不具合などで、唾液量の減少が起きていることもあります。歯の根の部分は、歯の頭の部分よりも軟らかくむし歯になりやすいため、歯の根の部分もケアすることが大切です。

(デンタルハイジーン 2016.12より)

※Newsletterは、こちらから一覧表示できます。