5月 1 2016
NewsLetter 2016年5月号
痛くないのに痛い?
歯科治療は誰にとっても憂鬱なものではないでしょうか?それは、「歯科治療=痛い」という不安な気持ちのせいでは?
例えば、むし歯で「痛い!」を感じるのは、「むし歯ができた!」、「トラブル発生!」というシグナルが神経を通って脳に届き、その結果「痛い」という感覚が生まれるのです。痛みは脳が感じています。
局所麻酔で神経の伝達を抑制したり、全身麻酔で意識を消失させてしまえば、むし歯があってもちっとも痛くありません。
それは「脳」が、「トラブル発生!」というシグナルをキャッチしないからです。そのため「脳」で痛みが生まれず、私たちは痛みを感じないのです。歯科治療では、神経のある歯を治療する時には麻酔をして、痛みを感じないように治療します。神経を取ってある歯は、「脳」にシグナルが伝達されないので、麻酔をしなくても痛みを感じずに治療をする事ができるのです。しかし、痛みを感じないはずの歯を治療している時でも、痛みを訴える方がいらっしゃいます。
それは、情緒(不安)をつかさどる大脳辺縁系と、痛覚をつかさどる大脳皮質の関係が密接である事から起こると考えられています。もともと脳が生み出す感覚は感情に大きく左右されるのです。痛覚も同じで、不安や憂鬱が増すと痛みも増幅します。
患者さんの治療に関する不安を減らせるように、治療の説明やカウンセリングをしっかり行うようにしています。不安な気持ちは我慢せずにお知らせ下さい。
いの歯科医院 歯科衛生士 山川まり子
参考文献:nico/2016.02
333運動はもう古い!
今の中高年世代が子供時代に、歯みがき習慣を身につけるため、「3度の食後、3分以内に、3分間、歯をみがきましょう。」と、わかりやすい標語で食後の歯みがき習慣を日本に定着させた画期的な歯科保健運動でした。今や日本は、朝晩は歯みがきをする人が7割以上という、世界に冠たる歯みがき大国です。現在の歯みがきは、その人の歯の状態や生活リズムに合わせたカスタマイズ型へと進化しています。ただ磨くだけでは、もう時代遅れなのです。歯科医師や歯科衛生士は、あなたに合った磨き方を提案する事ができます。一度ご相談下さい。
(nico 2016.02より)