NewsLetter 2020年5月号

最近飲み込みにくくありませんか?

口や咽頭は呼吸や発声時の「空気の通り道」であり、また飲み込む時の「飲食物の通り道」でもあります。
飲み込む動作は1秒以内の短い時間に複雑な生理的活動が絶妙なタイミングで調和して行われる動作です。

食べ物を噛んで飲み込める状態(食塊)にしたら、空気と飲食物の交差部にあたる咽頭部を経由し、食塊を食道に送り込みます。加齢ととともに飲み込みに関する生理活動が衰えたら、飲み込みの障害(嚥下障害)が高い頻度で生じ、食べ物が飲み込みにくくなったり、気管に食塊が流入(誤嚥)してしまいます。

嚥下障害の典型的な症状としては、食べにくい食物が増える、口や喉に飲食物が残る、むせがよく起こる(特に液体)などがあります。また、声がガラガラしている(湿性嗄声)高齢者も要注意です。

加齢により、舌筋、口輪筋、頰筋、舌骨挙上筋群、咽頭収縮筋などの嚥下に関与する筋力の低下が原因で起こることがあり、これらの筋力を訓練することで症状が改善する場合があります。

「食べこぼし」「むせ」「噛めないものが増えた」「滑舌が悪くなった」などの気になる症状がある方は筋トレしてみてはどうでしょうか。

いの歯科医院 歯科衛生士 山川まり子

参考文献:デンタルハイジーン/2019.10

ダンピング症候群と歯科疾患!

ダンピング症候群とは、胃切除後に生じる不快症状で、食物を胃に溜め置くことができず、短時間のうちに小腸に流し込むことで起こります。おもに低血糖症状全般、腹痛や下痢、腹部膨満感などの症状があげられます。

対処としては、1度にたくさん食べるのではなく少量頻回食にする、飴などの甘い物を摂取することが有効と考えられています。しかし、歯科疾患として、口腔衛生不良、むし歯、歯周病の憎悪が懸念されます。予防のために、歯科医院で定期的に適切なメインテナンスを受けましょう。

(デンタルハイジーン 2019.10より)

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