NewsLetter 2015年9月号

エナメル質形成不全(MIH)って?

エナメル質形成不全とは、エナメル質が先天的にもろい状態をいいます。永久歯の前歯と6歳臼歯に見られることが多く、初期むし歯、白濁とは少し違ったマット感のある色、そして黄色っぽい変色が見た目の特徴としてあげられます。こうなる原因は不明なのですが、顎の骨の中で歯が育っている時、エナメル質が充分に成熟しないことによって起きると考えられています。

前歯の場合、変色が気になるかもしれませんが、歯に強い力もかからずプラークも溜まりにくい場所なので、トラブルが起こることはまれです。一方、問題が起きやすいのが奥歯です。通常むし歯は噛み合わせの溝などプラークの溜まりやすい場所から始まります。しかし、エナメル質形成不全を原因とするむし歯は、歯の山、つまり常に食べ物や歯とこすれていてプラークが溜まりにくい場所(力がかかって崩れやすい場所)に出来ることが多いのです。

大規模調査の結果、10人に1人のお子さんにエナメル質形成不全が認められました。この先天的な原因によって起きる問題は、お子さんの歯みがきのせいでも、お母さんの仕上げみがきのせいでもありません。早期に発見することができれば、的確な処置を受け、その後の治療の見通しがわかり、ほっとできるのではないでしょうか?

痛くなった時だけ応急的に治療を受けていては発見は難しいものです。定期的にメインテナンスを受け、早期の対応が受けられるようにしていきましょう。

いの歯科医院 医療事務 小林万希子

参考文献:nico/2015.07

初期むし歯!

「初期むし歯」って聞き慣れない言葉かもしれません。歯の表面の白濁から始まり、少しずつ進んでくるとざらついた感じや色がついてきます。まだ穴が開いていませんが、実はこれもむし歯なのです。でも、初期むし歯は進行を止めれば削る治療も必要なし。時間はかかるけれど、元どおりに戻ることもあります。このためには歯医者さんでみがき方の指導を受けたり、削らない治療をするなどして、定期的に診てもらう事が必要です。

(nico 2015.08より)

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